🤖

無人アセット防衛能力

SHIELD構想による多面的沿岸防衛体制の構築

令和8年度予算

1,287億円

5年間総額

約1兆円

アセット種類

10種類

🎯 重要ポイント

戦場環境の変化：近年、海洋安全保障において無人アセットの能力を発揮していることに鑑み、戦場情報を大きく変化し、我が国においても、国境の不正な取引等違法活動から我が国沿岸を防護するため、無人アセットのみならず、宇宙、サイバー・電磁波能力と組み合わせて総合的に活用するシステムの構築を検討

能力の多様化：これまでの従来経理基盤の規模に対し、諸外の技術を持つ各種アセットの出現により、広範な無人アセットの能力を活用して多分野での警戒監視能力の補完を可能とする

予算措置：令和8年度概算要求においては、1,287億円を計上してこれらの取り組みを進め、令和9年度以降も所要経費を検討した上で、無人アセットと既存システムの有機的な結合を検討

🎖️ 無人アセットの戦略的意義

無人アセットの特性

⚡

短期間で安価に取得可能

🔥

苛烈で危険な環境下での運用

🔄

長期連続運用が可能

📈

同時大量運用が可能

👥

要員養成が容易

活用の方向性

業務の効率化：部隊警備、警戒監視、物資輸送等の従来有人アセットが担っていた業務の効率化
新たな形態のオペレーション：相手の脅威圏内での活動、新たな形態の観測・攻撃、連続運用・大量運用による相手へのコスト強要
非対称的優勢：人的損耗を局限しつつ、相手の従来装備品に対して非対称的な優勢を確保

取得を推進する3つのカテゴリー

🔍

ISRT用

洋上や相手の脅威圏内において偵察や観測を効果的に実施

※ ISRT: Intelligence, Surveillance, Reconnaissance, and Targeting

🎯

攻撃用

敵装甲車両、敵艦艇、暫定陣地等への直接的な攻撃

🛠️

戦闘支援用

島嶼部等における輸送など、幅広い任務に効果的に活用

💡 無人アセット防衛力の全体像

令和8年度無人アセット防衛力

約3,128億円

(無人アセット関連のみで約3,061億円)

無人アセットの特性を活かした活用

無人アセットは、従来有人アセットが担ってきた部隊警備、警戒監視、物資輸送等の各種業務について、次の特性を活かした活用を推進します：

短期間で安価に取得可能であり、迅速な戦力化が実現
苛烈で危険な環境下において、人的損耗を局限しつつ運用可能
長期連続運用や同時大量運用により、相手にコストを強要
要員養成が相対的に容易であり、迅速な部隊編成が可能

運用の3つの方向性

① 業務の効率化

従来有人アセットが担っていた業務を無人化することで、人的リソースを高度な任務に集中させ、全体の作戦効率を向上

② 新たな形態のオペレーション

相手の脅威圏内での活動、新たな形態の観測・攻撃、連続運用・大量運用による相手へのコスト強要など、従来不可能だった作戦形態を実現

③ 非対称的優勢の確保

人的損耗を局限しつつ、相手の従来装備品に対して非対称的な優勢を確保し、コスト対効果の高い防衛態勢を構築

主要な取得・研究内容

ISRT用無人アセット

洋上・脅威圏内での情報収集・警戒監視

攻撃用無人アセット

装甲車両・艦艇・陣地等への直接攻撃

戦闘支援用無人アセット

島嶼部輸送・警備等の後方支援

🛡️ SHIELD構想 - 多面的沿岸防衛体制

無人アセットによる多面的沿岸防衛体制(SHIELD: Shield for Island Defense with Enhanced Layered Defense)は、海上・空中・水中の各領域において、様々な無人アセットを統合運用することで、我が国の沿岸防衛能力を抜本的に強化する構想です。

🚁

UAV

無人航空機

🚤

USV

無人水上艇

🐟

UUV

無人水中航走体

多層的沿岸防衛体制（SHIELD）の運用イメージ

海上・空中・水中の各領域における無人アセットの統合運用

🚁 UAV（無人航空機）の取得

モジュール型UAV

海自

艦艇等を支援するためのF型（ファイター型）のUAVを取得

艦艇から発艦し、警戒監視等を支援するためのUAVを取得

概算要求

艦載型UAV（小型）

海自

哨戒ヘリコプター・護衛艦・掃海艦等から運用させることにより、高度監視を効率的かつ効果的に実施

概算要求

滞空型UAV

空自

長期滞空を可能とし、高度監視等を効率的かつ効果的に実施するためのUAVを取得

概算要求

レーダーサイト対策用UAV

空自

敵UAV・レーダー等を探知して対処するためのUAVを取得

イメージ

🚤 USV（無人水上艇）の取得

小型多用途USV

陸自

偵察等の各種情報収集等の任務のためのUSVを取得

イメージ

USV（Unmanned Surface Vehicle）とは

無人水上艇は、海上での警戒監視や偵察任務を無人で実施できる艇艇です。有人艦艇と連携することで、危険海域での情報収集能力を大幅に向上させます。

🐟 UUV（無人水中航走体）の取得

小型多用途UUV

海自

掃海等の各種情報収集等の任務のためのUUVを取得

イメージ

UUV（Unmanned Underwater Vehicle）とは

無人水中航走体は、水中での情報収集や機雷探知など、水中領域での各種任務を無人で実施できる装備です。掃海任務の安全性向上に大きく貢献します。

🔧 その他の取組

無人機同時管制機能の導入に資する実証

予算額

23億円

多数の無人アセットの特性等を行うための共通基盤を実証し、複数の無人アセットを効率的に同時管制できるシステムの構築を目指します。

複数無人アセットの統合運用システムの実証
リアルタイムでの情報共有・指揮統制機能の開発
AI活用による自律的な任務遂行能力の検証

📊 主要事項の詳細

🚁

UAV(装軌用)等の取得

空中から水際障害を設置するためのUAV(装軌用)及び汎用型を取得し、島嶼防衛における迅速な障害設置能力を強化

装軌用

189式

49億円

汎用型

767式

39億円

🌊

水際障害探知UAVの取得

空中から水際障害を設置するための機材及び地形情報を収集する水際障害探知UAVを取得し、水陸両用作戦への対処能力を向上

取得数

6式

7億円

✈️

滞空型UAV「MQ-9B（シーガーディアン）」の取得等

警戒監視・情報収集のため、人的損耗を局限する滞空型UAV「MQ-9B(シーガーディアン)」を取得し、長時間の洋上監視能力を実現

総事業費

770億円

主要性能

最大滞空時間: 約30時間
航続距離: 約5,900km
各種センサー搭載（レーダー、EO/IR、AIS等）

🎯

目標情報収集用無人機の改修・取得

精密な目標情報収集能力を持つ無人機を改修・取得し、打撃効果の最大化を実現

取得機数

4機

予算額

20億円

🚤

ISR用小型USVの実証試験

警戒監視態勢を構築するため、ISR（情報収集・警戒監視・偵察）用小型無人水上艇（USV）の実証試験を実施

実証試験予算

20億円

🔬 先進技術研究プログラム

UAV連携型AI駆動UGVの研究

45億円

UAV（無人航空機）と連携し、AI技術を活用して自律的に行動するUGV（無人地上車両）の研究開発を推進。複雑な地形での偵察・警戒任務の自動化を目指す。

参照: 資料36頁

次期戦闘機連携無人機の研究

49億円

次期戦闘機（GCAP）と連携して運用する無人機（Loyal Wingman / UCAV）の研究開発。有人機との協調により、戦闘能力の飛躍的向上を実現。

参照: 資料36頁

💰 予算総括

取得プログラム

約905億円

研究開発

94億円

合計

約999億円

🔗 関連プログラム

以下のプログラムの詳細情報は、防衛予算管理システムでご覧いただけます。

滞空型UAV「MQ-9B(シーガーディアン)」の取得等モジュール型UAVの取得小型攻撃用UAVⅠ型の取得小型攻撃用UAVⅡ型の取得小型攻撃用UAVⅢ型の取得小型多用途USVの取得小型多用途UUVの取得無人機同時管制機能の導入に資する実証

📄 データソース / Data Source

本ページの情報は、防衛省の以下の公式資料に基づいています。

🇯🇵 令和8年度概算要求の概要（日本語） 🇬🇧 Defense Budget Overview FY2026 (English)